イチキ大工の家づくり 

更新日:2 日前


横浜市栄区の工務店、イチキ大工です。

新築・リフォーム、屋根工事など建築全般承っております。

私たちは夫婦二人で経営し、代表が大工、設計、現場監督など、多くの役割を担っています。大工は他にもう1名のみの小さな工務店です。

更新は主に、妻である私が行っていきます。普段は事務、経理、広報、施工記録、その他現場の掃除など…とにかくサポートになることであれば、何でもやる!気持ちで働いています。



さて、私たちはいつもいつも、今の建築についてを考えています。

サステナブル、SDGs などと言われるようになった現代の中で、建築について疑問を持つ意見が、あまりにも少ないことも感じています。


‟建材”と言われるものは、最終的には処分に困ったり、環境に良いとは言えないものであったりします。しかし、今私たちの周りにある家はほとんどがこの建材だけで作られた家ばかりです。私たちも、安価で便利なため、使うことはどうしてもあります。


しかし、自宅を建てたころから、環境保全と建築についてものすごく深く考えるようになりました。それまでも、気にかけていたことが自分の家を建てることで確信したのです。



いつも感じていることは、


・土と木でできた家(広く伝統構法と言われるような建て方です。)が、一番環境に優しい

 家なのではないか? 

 ⇀ 土に還る材料でできているから。


‟自然素材の家”というような言葉も多くなってきましたが、木で組み、土壁を塗った家は、今多く‟自然素材の家”と呼ばれる家よりも、ずっと自然素材なのです。

‟自然素材”というよりも、‟本物の自然物でできた家”なのでしょうか…。


‟自然素材”とはとても便利な言葉で、その中身は「それって本当に自然素材というの?」と思うことがたくさんあります。だから私たちは、あまりこの言葉を多く使いたくないな、と思っています。身近な自然からの恵みをいただいた、‟木と土の家”なのです。


ちょっと細かくて面倒くさく見えると思いますが、ここは少し頑固になりたいところなのです。

また、よく‟伝統構法”と言われていますが、厳密にいうと、昔からの建て方を引き継ぎつつも、それを現代に合った建て方へと進化させています。




・木は国産の木にこだわりたい。

 ⇀ 日本の山をまず守ることが、日本の風土を守ることにもなるから。

 

山はただ木が育っていればいいわけではありません。きちんとした管理がされ、必要な間伐がされていなければ、山の下草が枯れ、荒れていくのです。建築のコスト削減によって、建売住宅を中心に、日本の家は外国産の木が多く使われるようになりました。

よって日本の林業が衰退し、放置せざるを得なくなっている山が多いと聞きます。

山は、手入れをするのにも多額のお金が必要なのです。みんなが木を買わなくなれば、山をきちんと管理したくても、出来なくなってしまいます。

そして、山が荒れれば、山から流れて川、海へと繋がっている水にも影響が出ていきます。一つ崩れるだけで、環境全てに関わってくるのですよね。


だからこそ、私たちは日本の林業、山、環境を守るために、国産の木にこだわっています。

国産の木がいい理由は、そういうことなのです。

まずは自分の国を守る。適正価格で木を売る、買う。地道にこれを守っていくことが、世界の環境にも繋がっていくと思っています。


ちなみに、同じ木でも、乾燥機で急速に木を乾かす‟人工乾燥材”と、乾燥機に入れずゆっくりと木自身が乾いていくのを待つ‟天然乾燥材”があります。

人工乾燥は、乾かすのに時間がかからないのでその分早く出荷させられ、コストも抑えられます。しかし、高温で急速に乾かすので、木の内部が割れたり、木の重要な養分まで抜けてしまいます。強度は変わらないと言われていますが、実際刻んだりかんなで仕上げてみると、木の粘りが無く、ボソボソしていて艶がないと感じます。


天然乾燥は、木の水分が自然に抜けていくまで乾燥させなければならないので、年単位の時間がかかります。そのためコストもかかります。

木自身が乾くのを待つので、表面に割れが生じます。家の構造に使うと、表面の割れが見えますが、木は真っ二つになるほどの割れがなければ大丈夫です。

寧ろ、表面が割れていない木は不自然なのです。




・手刻みで家を建てたい

 ⇀ 木一本一本を見つめて、木を適材適所に使いたいから。

   そして大工の技術を残していきたいから。   


今、3~4か月程度で家が建つのが当たり前、と思われていることが多いのですが、それらの家はすべて‟プレカット”と言って、設計図に基づいて、予め工場で材料がカットされた木で建てられています。大工は、カットされた木を、図面を見ながらパズルのように組んでいくだけです。手間が省けて早く家が建てられる、早く建てられることでコストを削減できるというメリットがあります。


‟手刻み”というのは、大工が自身の設計図に基づいて、一本一本の木を手で加工していくことです。そのため、加工だけで数か月の時間を要します。その上土壁で建てるとなると、壁を乾かす工程があり、施工期間は早くて1年ほどかかります。

 しかし、一本一本木を見つめることで、その木が家の構造のどの部分に適した材料なのか、ということを決めながら行うことが出来ます。

木にも性格やクセがあり、どう扱うか、どこに持っていくか(配置)というのは、大工が見極めながら使っていきます。木の命を全うさせていくことが、大工の仕事だと思っています。

木を適材適所に使うことで、一本一本がしっかりと家を支え、長持ちする家になります。

木の良さを生かした家づくりができるのです。




こういった構法(木組み、土壁の家)は、まさに環境に優しく、サステナブルと言えるのではないかと思います。寧ろそれを越えて、移築したり、解体した材料をまた違う形で再利用もできるので、持続することの先へ進んでいると思います。


しかし決して私たちは、環境のためだけにこういった家を建てたいわけではありません。

こういった構法で建てたい気持ちは、


・大工の技術を生かし、次世代の大工へ引き継いでいくこと や、

・木で組まれた丈夫な家を長く残していくこと(日本のお寺などはいい例ですね!)


が第一にあります。


そしてこの家の建て方は、昔の人たちが自分たちの身の回りにあるものを使い、近所の人と力を貸し合って家を建てたことが始まりです。身の回りの自然物を使ってつくるのですから、解体した後も自然に還っていくのは、当然ですね。


今の子どもたちの未来に、せめて今の環境を維持できているよう、環境への意識ももちろんしています。家の建て方だけでなく、余分に材料の発注をかけない(結局使わずにゴミがでることのないように)、現場でのゴミの分別(リサイクルできるものはリサイクルへ)なども心がけています。

そして皆さんに知ってほしいことは、こういった構法が、決して古臭いものではなく、理にかなっていること、自然に反しないこと。日本の伝統的な技術を残してゆくこと。

こういった思いで、コツコツと仕事を続け、広く伝えていきたいと思っています。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。




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